私の眼鏡変遷


RP患者にとって、遮光眼鏡は必需品です。眼鏡の善し悪しによって、日常のストレスがかなり左右されると言っても過言ではありません。自分にあった良い眼鏡と出会うまで、私も色々と試行錯誤をしました。このページではその試行錯誤の変遷を簡単にご紹介したいと思います。

変調レンズ
変調レンズ

普通のサングラス
普通のサングラス

レチネックス
レチネックス

跳ね上げ式
跳ね上げ式フレーム

屋内用
屋内用遮光レンズ

2012年7月現在


 

変調レンズ

私がRPであるという診断を受けて、初めて作ったのがこの変調レンズの眼鏡でした。紫外線を浴びると色が濃くなり、屋内に入ると色が元に戻ります。下の写真は色が濃くなったところですが、実際はもう少し濃い色になります。ただし、濃くなるのは早いですが、元に戻るのはかなり時間を要します。そして、肝心の遮光効果ですが、ほんの気休め程度にしかなりません。当時は医者も眼鏡屋さんも、RPに関する知識がほとんど無く、ただ勧められるままにこの眼鏡を作ったのですが、はっきり言って、目の保護にはなっていなかったように思います。

 

Topに戻る

通常の変調レンズ

変調して色が濃い状態


普通のサングラス

変調レンズでは用をなさないとわかって、作ったのがこのサングラスです。特に、北海道は雪が積もると、雪の反射で相当眩しくなります。変調レンズでは眩しくて目を開けていられないほどです。それで、かなり濃い色のレンズを作りました。しかし、これをかけるとなぜか具合が悪くなって、めまいがしたり吐き気がしたりしました。どうも、この色が私には合わなかったようです。それに、自動車に反射する光などには全く効き目が無く、まるで目に突き刺さるようでした。RP患者にとって、普通のサングラスはあまり効果が期待できないと言うことがよくわかりました。

 

Topに戻る

普通のサングラス


レチネックス

普通のサングラスが全く用をなさなかったので、別の大手眼鏡屋さんを訪れて相談し時に、HOYAのレチネックスを勧められました。パンフレットには「網膜色素変性症患者のために」とでかでかと書いてありましたので、「これだ!」と思って早速作ってもらいました。上述のサングラスと同じ色だと、また具合が悪くなるかもしれないので、ブラウン系(実際には濃いオレンジに近い)の色にしました。このレチネックスは優秀で、自動車の反射光も全く眩しくありません。しばらくは屋外はおろか屋内でもこの眼鏡をかけていました。でも、病状が進行するにつれて、屋内でこの眼鏡をかけると暗くて見づらくなってきました。それで、屋内では最初に作った変調レンズの眼鏡に掛け替えていました。

 

Topに戻る

レチネックス


跳ね上げ式フレーム

外にでる時はレチネックスをかけ、屋内に入る時は別の眼鏡に掛け替えるというのは、非常に面倒でした。特に、買い物の時は掛け替えるのが大変です。それで、私は元々乱視だったのですが、乱視の度が変わったのをきっかけに新しく跳ね上げ式のフレームを使って眼鏡を作りました。外側は従来通りのレチネックスで、内側はUV加工の普通のレンズに乱視の度が入っています。この眼鏡は本当に便利です。暗がりで見づらい時は、下の写真のようにレチネックスを跳ね上げればいいのですから。眼鏡を2つも持ち歩く必要がないんです。ただ、自分の家にいる時に、ずっとレチネックスを跳ね上げたままにしているのは、少々じゃまくさいので、自宅では相変わらず変調レンズの眼鏡をかけていました。この跳ね上げ式の眼鏡は外出用に今も使っています。

 

Topに戻る

跳ね上げ式

跳ね上げた状態


屋内用遮光眼鏡

家の中は外に比べると、確かに暗いです。でも、RPにとっては蛍光灯や、テレビのブラウン管が案外眩しく感じたりします。私の目も、病状が進行するにつれて、蛍光灯やテレビが非常に眩しく感じられて、目の疲労感もだんだん強くなってきました。ちょっと目を使うと、瞼がぴくぴくとけいれんして、それがなかなか直らないのです。それで、ロービジョンクリニックを受診した時に、医師にそのことを相談しました。すると、屋内用の遮光眼鏡を作るように勧められました。それまでそんなものがあるとは全く知りませんでした。そもそも、ロービジョンクリニックを受診するのも、初めてだったので、やっぱり普通の眼科とは違うと思いました。クリニックで、いくつかのサンプルを試した結果、TOKAIのCCP400と言うレンズを使うことにしました。かなり薄い黄色味がかった色が入っています。でも、効果は抜群で、蛍光灯もテレビも全く眩しくありません。疲れ目もかなり解消され、瞼のけいれんもなくなりました。現在はこれを自宅で使用しています。

Topに戻る

屋内用遮光レンズ


2012年7月現在

 2010年頃から、周囲に霧がかかったような感じに物が見えるようになり、次第に黒い物も真っ黒に見えなくなって、外出はおろか、パソコン画面を見ることにも支障が出てきてました。主治医に相談しても、白内障ではないので、薬物や手術によって治療できる症状ではないと言われました。
 ただ、光線がわずかに乱反射しているかも知れないと言われたので、眼鏡屋さんで乱反射を防ぐような新しいレンズはない物か相談してみました。すると、現在は遮光眼鏡用の様々なレンズがあり、たくさんの選択肢があることがわかりました。

 そこで、2012年7月に屋外用、屋内用の両方の遮光眼鏡を新たに作ることになりました。補装具として福祉課に申請し、指定された眼鏡店で作る必要がありますが、幸い、いつもお世話になっているのはその指定店でした。
  その眼鏡店では多くのサンプルが用意されていて、曇りの日と晴れた日の2回に分けて訪れ、どのサンプルがもっとも見やすいかを慎重に選びました。かつて、屋内用の遮光眼鏡を作った時は、サンプルはおろか、そのレンズさえ取り扱っていなかったのですが、私が無理にお願いしてTOKAI ccp レンズを取り寄せてもらったことがきっかけで、それ以降、そのお店では障害者のためにTOKAIのレンズの取扱店となり、たくさんのサンプルを準備することになったそうです。
 地方の眼鏡店ですが、障害者の味方になってくれるのはうれしい限りです。今や近隣の視力障害者がよく遮光眼鏡を作るために来店しているとのことでした。自分がきっかけで、誰かの役に立っているなんて、思いも寄りませんでした。

 そして、以下に記す二つの遮光眼鏡を作りました。

屋外用遮光眼鏡

 レンズは「TOKAI ccp アンバーグリーン」です。

  レチネックスでは、日中の屋外に出ると周囲が真っ白に見えて、建物が全く見えなくなっていました。しかし、このレンズでは離れた位置にある建物も見えるようになりました。また、屋内に入っても、明かりがあれば周囲が見えるので、買い物ぐらいなら眼鏡を掛け替える必要がありません。

 コントラストが非常にはっきりしていて、現在の状況ではこれがベストです。
 フレームはできる限り乱反射を防げる物を眼鏡店で選んでもらいました。スポーツ用のゴーグルタイプの物ですが、頭にしっかりフィットしてずれにくく、つばの広い帽子をかぶれば、以前の眼鏡よりも、横からの光の侵入が少なく、とても目が楽です。
 近頃の眼鏡フレームは横長の物ばかりなので、遮光眼鏡としてはどうなのか少し懐疑的でしたが、このフレームはしっかり目をガードしてくれているので、心配には及びませんでした。

TOKAI ccp アンバーグリーン

屋内用遮光眼鏡

 レンズは「TALEX ブラウンOA」です。

 写真ではかなり濃く見えますが、実際に翔てみると、暗い感じはしません。そして、コントラストが非常に高いので、黒い物が真っ黒に見えます。それでいて、暗がりでも、色の付いた眼鏡をかけている感じがしません。

 パソコンのディスプレイやテレビ画面は非常にはっきりと見えます。以前の屋内用眼鏡として使っていたTOKAI ccp400 では、テレビドラマの俳優の顔が全くわからなくなっていましたが、この眼鏡をかけるようになってからは、俳優の顔がよく見えます。レンズを変えただけで、これほど違いが出るとは、正直驚きです。

 フレームは、よくドアや人に衝突するので「なるべく壊れにくい物を」と条件を出して眼鏡店に選んでもらいました。
 屋外用と同じく、どうやらスポーツ用のゴーグルタイプのフレームです。ただ、屋外用のより、かなり頑丈な感じです。しかも、ツルの部分は取り外し可能で、色違いのスペアがついてきました。
 ゴーグルタイプなので、頭の上にある蛍光灯の強い光もほとんど気になりません。周囲の光から目をしっかりとガードしてくれている感じがしますし、一日の終わりに、光線による目のダメージが以前より少なくなっている感じがします。
 横長のフレームでも、上下の視野が狭い感じはしません。ただ、眼鏡を外してしげしげと眺めると、どう見ても「ウルトラアイ」に見えます。眼鏡をかける時に思わず「ジュワッ!」と言いたくなります。

Topに戻る

TALEX ブラウンOA

 

《INDEXへ戻る》


メールはこちらから