【 独 り 言 】
かつてisoeがレッスンをしていた頃色々なことがありました。そうした経験の中から、おもしろかった出来事や、私の考えたことのごく一部をご紹介いたします。
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※この続きはブログ「LEM音楽院通信」の「レッスンの思い出」と言うコーナーでお楽しみください。
2004.09.07
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ツボにはまったMちゃん
先生になついて色々と話をしてくれる生徒は教えやすい。でも、時には何を言っても返事をしてくれない、内気な生徒がいる。決して反抗的ではなく、言われたことはまじめに練習してくるのだが、何を聞いても押し黙ってもじもじしている内気な生徒・・・。Mちゃんもそんな生徒の一人だった。
そんなある日のこと、とあるお菓子の題名がついた曲をレッスンしていた。
先生「Mちゃん、ポケットをたたくとビスケットが一つ、も一つたたくとビスケットが二つ・・・っていう歌しってる?」
M「・・・(コクンとうなずく)・・・」
先生「うん、その歌はポケットをたたくとビスケットがどんどん増えていくんだけど、そんなポケットがあったらいいね。実際はポケットをたたくとビスケットが割れて粉々になって増えていくだけだから・・・」
M「ク・ク・ク・・・・・」
たいしたジョークではないが、Mちゃんのツボにはまったらしく、その後Mちゃんはレッスンが終わるまで必死に笑いをこらえていた・・・。
笑いたいときは笑ってもいいんだよ!Mちゃん!
永劫回帰・・・
人は誰でも深く考えずに思い込みで物事を片づけてしまうことがある。大人でも、子供でもそう言うことはある。そして時にはあまりにも思い込みが激しすぎて延々と同じ過ちを繰り返してしまうこともある・・・。
Nちゃんは少し甘えんぼで、先生にかまってもらいたくてちょこちょこといたずらをする女の子。決して飲み込みが悪いわけではないのだが、思い込みが激しいところがある。
そんなNちゃんのとある日のソルフェージュ。
N「・・・ソファミソファレド」
先生「違うよ。そこはソファソミファレドだよ。」
N「あ、そうか。・・・ソファミソファレド」
先生「まただ。ソファソミファレドでしょ。」
N「あ、そうだった。・・・ソファミソファレド」
先生「だから、ソファソミファレドだって言ってるでしょ!10回言ってごらん。」
N「・・・(10回言う)・・・よし、これでだいじょうぶだ。」
先生「よーし、今度はソファソミファレドってちゃんと歌うんだよ。さんハイ!」
N「ソファミソファレド」
Nちゃんが正しく歌えたのはそれから実に20分後であった・・・。
それは新喜劇
子供は時として実におもしろいことを言う。まじめに考えていることでも、時にはひょっとしてわざとボケをかましているのではないかと感心させられてしまうこともある。
そんな子供の一人Hくんは小学校1年生。まじめに一生懸命努力して楽譜もちゃんと読めるようになった。ところが、ある日のレッスンで、音楽ドリルをやっていた時のこと・・・
先生「さて、これまで習った音符をおさらいしよう。4分音符の長さは1拍。2分音符は2拍。付点2分音符は3拍。全音符は4拍だったね。さて、ここの問題はバラバラに並んでいる音符を短い順に書きなさいって書いてあるよ。音符の長さを考えて、短い順にカッコの中に書いてごらん。」
H「・・・・・・」(いっこうにペンが進まない)
先生「どうしたの。4分音符の長さはいくつだった?」
H「う〜ん・・・」
先生「さっき先生とおさらいしたでしょ。4分音符の長さはいくつだった?」
H「・・・2センチぐらいかな・・・」
先生「それは音符の長さじゃなくて棒の長さや!!!」
思わず新喜劇調のツッコミを入れてしまったisoeであった・・・
おのれ小便小僧ども!
R兄弟はお兄ちゃんが小5で弟が小2。二人とも礼儀正しくて、とても元気がよい。しかし、落ち着きがなくおおざっぱなところもある。
ある日のこと、弟が「トイレ貸して下さい」と言うので、「いいよ」と言って使わせた。しかし、彼が帰ったあとトイレに行ってみると、床が水びたし。その当時、我が家の地域はトイレの水洗化がまだ整備されておらず、当然我が家のトイレはくみ取り式であった。従ってこの床の水は小便以外の何物でもない。おそらく、我慢しきれずに、ズボンをおろしたとたんに出してしまったのだろう。「ま、そう言うこともあるか・・・」とここは辛抱辛抱・・・。
それから、数週間後今度は兄の方が「トイレ貸して下さい」と言ってきた。レッスン終了後トイレに行ってみるとまた水びたし・・・。
R兄弟よ。頼むからおしっこは便器の中にしてくれい!
それは道場破り
LEM音楽院の生徒は玄関に入ると大きな声で「こんにちは!」と言うことになっている。中でもKくんは家中に響きわたる元気な声で挨拶をしてくれる。
とある日のこと。家の外で近所中に響くような大きな声で「こ・ん・に・ち・は!!」と言う声が聞こえた。何事かと思い外を見てみると、まだレッスンに来はじめて間もないSちゃん(5才)がいた。そして、その時の姿は、あたかも門前で「たのもう!」とやっている道場破りのごとくであった。
お母さん「これ、ご挨拶は玄関に入ってからでしょ!」
S「あ、そうか。」
玄関に入って改めて
S「こんにちは・・・」
そして、Sちゃんがレッスン室に入ってきて一言。
S「私っておバカさん!」
何ともかわいらしい道場破りであった・・・。
甘く危険な香り・・・
レッスンに来る子供たちは色々なにおいがする。だいたいが汗くさかったりするが、時にはいつ風呂に入ったんだというような近寄りがたいにおいがすることもあるし、逆に石鹸のいい匂いがする場合もある。そして、中には甘いバニラのにおいを漂わす子もいる・・・。
ある日双子の姉妹でピアノを習いにきているS姉妹(6歳)がバニラの甘くいい香りを漂わせていた。
先生「何かおいしいもの食べてきたでしょう?」
S妹「うんとねー、アイス食べてきたんだよー。」
先生「アイスかー。いいなー。おいしかったかい?」
S姉「うん、おいしかったー。」
そして、二人のレッスンが終わって何気なく、ピアノをさわったら、べとっとしたいやな感触がした。つまり、二人はアイスを食べたあと手を洗わないで、レッスンにきていたのである。仕方なく、二人がさわったところを濡れ布巾で丹念に拭き取るisoeであった。
それからしばらくしてFくん(小3)のレッスン。
活発な子なので、いつも汗のにおいがするFくんだが、その日に限って甘いいい匂いがした。そう、バニラの香りである。
(・・・いやな予感・・・)
Fくんが帰ったあとすぐに鍵盤に目をやった。さわるまでもない。白い鍵盤はFくんが弾いていたところだけ、黒いシミになっていた・・・
教 訓:気をつけよう、バニラの香りの生徒の手。
夏休みなんか嫌いだ!
子供の時、夏休みはそれはもう楽しみなものであった。しかし、こういう仕事を始めるとその夏休みが非常にじゃまくさいものになる。もちろん、isoeにも夏休みはある。しかし、体を休めるという意味では歓迎できるが、経済的な点では諸手をあげて歓迎することはできない。なぜなら、月謝が入ってこないからだ。
学校が夏休みになると、学校の行事や地域の行事、そして家族旅行などでレッスンを休む生徒が増える。また、暑さで親もばてているのか、レッスンに来ても月謝を忘れてくる生徒が増える。
中には、たとえレッスンを休んでも、期日までにちゃんと月謝を届けてくれる生徒もいるが、たいていは次のレッスンまで持ってきてはくれない。すぐ近くに住んでいても、近所で顔を合わせることが多くても、わざわざ月謝を持ってきてくれる人はそうそういないのである。
従って、7月と8月の月謝が全額納入されるのはだいたい1ヶ月遅れなのだ。入るものは入らなくても、出ていくものはどんどん出ていくので、この時期は貯金がスッカラカンになってしまう。(T.T)
ああ、夏休みなんて嫌いだ・・・。いったい誰がこんなものを考えたのだろう・・・。
責任者出てこーい!
それは「伝統にんにく卵黄」
かつての「伝統にんにく卵黄」のCMをご存じだろうか。初老の男性が浴衣を脱ぎ捨てると年齢にそぐわない鍛え上げられた筋肉を持っていて、「ハウッ!フグッ!」といきなりボディビルディングのポーズをとる、あのCMである。あれを見るたびに「どこかの血管がぶち切れて倒れるんじゃないか」と心配になった。
Sちゃんは小学1年生の女の子。おっとりしていて先生の言うことをいつもよく聞いているまじめな女の子。与えられた課題にはとにかく一生懸命取り組んでいる。そんなSちゃんのある日の音楽ドリル。
先生「今日はドの音を楽譜にきれいに書く練習をします。それじゃ、ドリルを開いてドの音をたくさん書きましょう。きれいに、ていねいに書いてね。」
S「フウッ・・・・・・・ハア、ハア、ハア。ングッ・・・・・・・・・・・・ハア、ハア、ハア・・・」
さて、Sちゃんは何をしているかおわかりかな?別に変なことはしていない。ちゃんと音符を書いているのである。それも、先生に言われたとおり、きれいに、ていねいに、一生懸命書いているのである。
ただ、音符を書くときに息を止めているだけなのだ。しかし、声だけ聞いていると、あの伝統にんにく卵黄の男性のように、あたかもボディビルディングをやっているかのようである・・・。
Sちゃん、窒息する前に息するんだよ!
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出た!坂田師匠!?
無くて七癖とよく言うが、人それぞれ色々な癖を持っている。それが子供だと思わず吹き出してしまうような癖があったりする。
Fくん(小2)もそう言った面白い癖を持っている。
とある日のレッスン。ソルフェージュのワークブックをやっているとき。
Fくんはかなり豪快に文字を書いて力の限り消すという荒技を使う。その日もでかでかと字を書いて思いっきり間違えた。それに気が付いたFくんは当然消しゴムで間違えた字を消し始めた。
すると、右手で持った消しゴムを上へ滑らすと、ノートを押さえた左手が下へ行き、消しゴムが下へ行くと、左手が上へ行く。それを素早く動かしているのをじっと見ていると・・・
「ハテ、この仕草どこかで見たような・・・」
思い出した。それはまさしく「アホの坂田」として知られる坂田利夫さんのアホアホ踊りだったのだ。
本人はまったくそんな意識はないのだろうが、それに気が付いたisoeは吹き出しそうになるのを必死にこらえているのであった。
ただ1つだけこの癖には落とし穴があった。それは、部屋中に消しゴムのかすが飛び散ると言うことだ。
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余 白 ?
音楽には強弱を表す記号がある。f(フォルテ)=強く、p(ピアノ)=弱く、などはみなさんもよくご存じであろう。その他にもmf(メゾフォルテ)=少し強く、mp(メゾピアノ)=少し弱くなどがある。
(くれぐれもmpを“ミリタリーポリス”などと読まないように!)
当然、私の生徒達にもこうした記号をしっかりと教えていた。ピアノの楽譜で教えるだけでなく、ワークブックなどを使って、何度も反復して記憶させるのだ。
そんなある日のH君(小4)のレッスンでのこと。
いつものようにワークブックをやっていて、強弱の記号の意味を答える問題が出ていた。
問 題 次の記号の読みと意味を答えなさい。
1. p 2.mp ・・・・etc.
そして、H君の解答
1. 読み=ピアノ 意味=よはく 2. 読み=メゾピアノ 意味=すこしよはく
よりによって解答欄に「よはく」とは・・・。ましてや「少し余白」なんて言葉は未だかつて聞いたこともない。もちろん本人は「は」を「わ」と読んでいるのだろうけど、文字通りの意味ならなんと大胆不敵な解答であろうか。
きっとこの子は大物になるに違いない。(^_^;)
一緒にレッスンに来ていたH君の姉がその解答を見て腹を抱えて笑い転げていたのは言うまでもない。
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さよならも言えずに・・・
Nちゃん(小3)はわりと僻地の方に住んでいる。ちょうど、「北の国から」の純や蛍が通っていたような小さな学校に通っているのだ。だから、レッスンでもとても人なつっこくて、その上甘えん坊である。
ある時Nちゃんはレッスンに来るなり、「眠い、眠い」を連発していた。
N「レッスン中に寝るかも知れない。」
先生「もし寝たりしたら、裸にして雪の中に埋めて、雪だるまにしてやる。」
そんな冗談を言い合いながらレッスンは進んでいった。その間、Nちゃんは何度も「眠い」を繰り返していた。
そして、レッスン終了。Nちゃんは楽譜をバッグの中へ入れて、帰りの支度を整える。そして、お迎えの車が来た。
N「あ、お母さんが来た。先生、おやすみ・・・???・・・じゃなかった。さようならだった。」
あまりの眠たさに“さようなら”が“おやすみなさい”になってしまった。恥ずかしそうに照れ笑いするNちゃん。
そして、玄関から外に出るとき、
N「お・・・・じゃなくて、さよならだ〜。」
と言って、Nちゃんは走り去っていった。
レッスンが夜だったら、まだつじつまがあったんだけどね〜。(^_^;)
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恐怖のおねだり娘
レッスンには色々な子供が来るが、中にはとてもお行儀の悪い子もいる。例えば、あいさつがきちんとできなかったり、返事がきちんとできなかったり・・・。そして中には先生におねだりをしてだだをこねるとんでもない娘もいた。
ある日のレッスン、恐怖のおねだり娘がレッスンを終えて、お母さんのお迎えを待っていた。なかなか迎えに来ないので、勝手に本棚にあったオフイス用品の通販カタログを引っぱり出して見ていた。
おねだり娘「先生これ買って!」
先 生 「欲しいものがあるなら、お母さんに買ってもらいなさい。」
おねだり娘「なんで〜〜!買ってよ!!」
先 生 「何がそんなに欲しいんだ。」
彼女が指さすものを見てみると、なんとそれは“レジスター”だった。
先 生 「そんなもん買ってどうするんだ!」
おねだり娘「いいから買って!」
先 生 「だめだ!欲しければ親に買ってもらえ!」
おねだり娘「なんで〜!買ってったら買って!買って!買って・・・・・・」
その直後、娘がisoeにお灸を据えられたことは言うまでもない.........。
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几帳面なハードロッカー
U君(小1)は大変几帳面だ。ソルフェージュの教材で音符を書く時に、書き損じるとペン・ケースのファスナーを開けて消しゴムを取り出し、使用後はまたペン・ケースに戻してファスナーを閉じる。そう、消しゴムを出し入れするたびに、必ずペン・ケースのファスナーもちゃんと閉めるのだ。でも、時々頻繁に間違えることがある。そんな時でも、U君はちゃんとファスナーを閉める。間違えてはファスナーを開け、消しゴムを使ってはちゃんとファスナーを閉じる。そうやって、ファスナーを開けたり閉じたりを繰り返しているうちに、本人もだんだんとイライラしてくる。その姿を見ていてとても面白いので、isoeはあえて「消しゴムを出しておけばいい」という一言を言わない。
isoeisoeは時々“いぢわる”である。
そんなU君だが、歌を歌う時には豹変する。isoe
は一応、大学で声楽を学んでいて、それなりに声量があるのだが、U君はそんなisoeよりも大きな声で歌を歌う。いや、歌うというよりはむしろ、「絶叫」に近い。英語で言うと[shout]だ。それはもう見事なまでの絶唱ぶりである。本人もしまいにはむせてゲホゲホとやっているが、今時「大きな声で歌いなさい」と言っても、なかなか大きな声を出さない子供が多い中で、U君の歌声は貴重ともいえる。だから、isoeはあえて「もう少し楽に歌いなさい」という一言を言わない。
isoeisoeはやっぱり“いぢわる”である。
U君が大きくなったら、ビリー・ジョエルの“プレッシャー”wを一緒に絶叫したいな。(^_^;)
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せーのーしーで!
A子ちゃん(小1)はまだピアノを習い始めて2ヶ月足らずである。レッスンに来ると、クリクリした目をキラキラさせて、いつもうれしそうな微笑みを浮かべている。
そんなA子ちゃんのある日のレッスン。。。
いつも熱心に練習してくるA子ちゃんは、いよいよ両手で弾く曲に挑戦することになった。
先生「では、まず右手の練習をしてみようか。」
A子(スラスラといとも簡単に弾く。)
先生「よし。じゃ今度は左手を練習してみよう。」
A子(これまたスラスラと簡単に弾く。)
先生「よーし。いいぞ。じゃ両手で弾いてみようか。」
A子「せーのーしーで!」
・・・って、おいおい自分の手にかけ声をかけるのかい。(^_^;)
まぁ、気持ちはわからなくもない。人それぞれ、タイミングのはかり方は異なって当然。しかし、このままでは発表会の時に会場が爆笑の渦に巻き込まれるかも・・・
・・・ということで、なかなか「声に出さないように」という注意をしないisoeであった。だって、面白かったんだもん。。。
芸 の 道 は 厳 し い の だ 。
isoe先生はやっぱり“いぢわる”である。フキフキ ”A^^;
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コモド・・・?
※予備知識
【コモドドラゴン】
インドネシアのコモド島に生息する、体長3メートル、体重165キロを超える大トカゲ。
A花ちゃんはまだ4歳。1ヶ月前にピアノを始めたばかりだ。ピアノが大好きで、新しい教材を渡すと「もらっちゃた〜♪」と喜んでスキップしながら帰っていくような、かわいい女の子。
そんなA花ちゃんのある日のレッスン。。。
(A花ちゃんが課題曲を弾く。)
先生「がんばったね。でも、ここのところを間違えていたよ。」
A花「あのね、A花ね、まだ
コモド
だからね、上手に弾けないの。」
先生「そっかぁ〜。コモドかぁ〜。コモドじゃしゃーないなぁ。(笑)でも、もう1回やってみようか。」
(今度は上手にできた)
先生「よーし!今度は上手にできたねぇ。と言うことは、A花ちゃんも少し大人になったのかな?」
A花「うん!」
こんなかわいいA花ちゃんだったが、この3ヶ月後、お父さんの転勤で教室を去っていった。。。
あれからずいぶん経ったが、今頃はきっと立派な大トカゲに成長していることだろう・・・
・・・って、そんなわけないよな・・・(^_^;)
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日本語って難しい・・・
M子ちゃん(小1)のレッスン。高いド・レ・ミの音を覚えたばかり。
先生「では、今日覚えた音符をおさらいしようか。ハイ、これは何の音?」
(高いドの音を指さす。)
M子「・・・4分音符。」
先生「いや、そうじゃなくて。音の名前を聞いているんだよ。」
M子「・・・・・・・2分音符?」
先生「いや、だから、そうじゃなくて。ドとかレとかミとか音の名前を聞いているんだよ。」
M子「・・・・・・・・・・・・・・・全音符・・・?」
先生「いや、そうじゃなくて・・・・・」
10分間の攻防の末、M子ちゃんはようやくそれがドの音であることを認めた。
その様子はさながら、取調室でしらを切る容疑者と辛抱強く相手を落とそうとするベテラン刑事のやりとりのようであったと言う・・・。
さて、カツ丼でも食うか。。。フキフキ ”A^^;
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上行形の男、下行形の女。
予備知識:
〈上行形〉ドレミファソラシドと上に上がっていく音階。
〈下行形〉ドシラソファミレドと下に下がっていく音階。
A夫君は“ドレミファソラシド”は簡単に言えるけど、“ドシラソファミレド”はなかなか言えない。だから、“ドレミファミレド”というメロディを歌うと・・・
A夫「ドレミファ・・・・・・・・ミ・・・・レ?・・・・・・・・・・・・・・・・ソ」
先生「最後は違うよ。最初の音と同じでしょ。」
A夫「え?・・・・じゃあ、ド?」
・・・と言う具合になる。そう、彼は上行形の男なのだ。
それに対して、B子ちゃんは“ドシラソファミレド”はスラスラ言えるのに、逆の“ドレミファソラシド”はなかなか言えない。それで、“ドシラソファソラシド”というメロディを歌うと・・・
B子「ドシラソファ・・・ミ・・・」
先生「ミじゃないよ。ファから上に上がっていっているでしょ。」
B子「うーん・・・ソ?」
先生「そう。じゃ次は?」
B子「・・・・・・・・・シ?」
先生「違うよ。一つ飛ばしてるよ。」
B子「うーん・・・・・・・・・・」
先生「ソの音の次は何かな?鍵盤を見てごらん。」
B子「あ!ラだ。」
先生「はい。じゃ次は。」
B子「うーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シ?」
先生「ハイ、最後は?」
B子「ミ!」
先生「・・・(ずるっとこける)・・・」
・・・と言う具合になる。そう、彼女は下行形の女なのだ。
2人を足して2で割るとちょうどいいんだけどねぇ。。。
あ、その場合、上行形も下行形も読めなくなるかも・・・?(^_^;)
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フラットな男、ナチュラルな女。
K君は変化記号が苦手。調号(♭や♯)が3つ以上つくと、いくら注意しても、混乱してありとあらゆる音を全て「♭」をつけて弾いてしまう。だから、イ長調の曲なのに、この世のものとは思えぬ響きのすさまじい現代音楽になってしまうのだ。そう、彼は「フラットな男」なのである。
一方、Mさんも変化記号が苦手。調号が2つ以上つくと、いくら注意しても、混乱して全ての変化記号に「ナチュラル」(♯や♭を解除する記号)をつけて弾いてしまう。だから、イ長調の曲もイ短調になったり、まるでどこかの民族音楽であるかのようになってしまうのだ。そう、彼女は「ナチュラルな女」なのである。
・・・キミタチ、スコシハ先生ノ言ウ事ヲ聞キタマエ・・・(^_^;)ヒクヒク・・・
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新種発見!?
isoeのレッスンでは「おんぷカード速読検定」と言うものがあった。まず30枚のおんぷカードを3分以内に読めたら、合格。2分で読めたら「達人」、1分半で読めたら「名人」、1分で読めたら「鉄人」の認定証が与えられる。
その速読検定をやっている最中に、これまで認知されていなかった新しい音名が発見されることがある。
「ダ」:レミファソとは異なり、ド〜ラの中間ぐらいに存在するらしい。
「デ」:♯も♭もついていないが、ドとレの中間に存在するらしい。
「ロ」:シではないが、ラ〜ドの中間に存在するらしい。
「フ」:将棋じゃあるまいし・・・裏返すと「と金」になるのだろうか?
「ス」:次は味噌か?それとも醤油か?
「スゥ〜〜〜〜シ」:出前を取れと言うのか?
「ヘ音記号」・「ト音記号」:誰が記号を読めと言った?
「全音符」:30枚全てそれで済ませる気か?
「4分音符」:どこにそんなものが書いてある?
「2拍」:もはやつっこむ気力もない・・・
こうして、今日もまた新しい音名が発見されていく。。。
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仮面生徒・・・?
Bちゃん(仮名)はとても控えめでおとなしい小1の女の子だった。ピアノを弾いても、いかにも弱々しい音で弾くので、いつも「もっと強く!はげしく!」とisoeに注意されている。歌を歌っても、蚊の泣くような声で、ようく耳をすまさないと聞こえないほどだ。いかにも、はにかみやで可憐な少女というイメージだ。
ある日の午後、私はなじみの理容院に向かっていた。そこの近くには小学校があり、よく子供達が通る。その日、私の目の前を二人の少年が歩いていた。
少年A「なぁ、Bって知ってるか?」
少年B「うん、知ってる。」
「お、うちの生徒のBちゃんの話題だ。さすがにかわいらしいあの子は、学校でも人気者らしい。」そう思った私は少しうれしくなった。何しろおとなしくて可憐な少女だ。きっとモテモテなのだろう・・・
・・・そう思った矢先・・・
少年A「あいつってさぁ、悪ガキだよな!」
少年B「うん!」
「・・・?」どうやら、Bちゃんのレッスンの姿と、学校での姿はかなり異なっているらしい。人は見かけによらぬものだ。
あれから何年経っただろう。Bちゃんは最後まで控えめでおとなしい女の子だった。少なくとも、レッスンの時だけは・・・。
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敏腕マネージャー
レッスンには時折、生徒の親だけではなく、弟や妹がついてくることがある。レッスンをしてる間、じっと座って聴いている子もいれば、あちこち歩き回ったり騒ぎまくったりしてひたすらレッスンの妨害をする子もいる。その点、A子ちゃんの妹(5歳)はとびきり優秀だ。
レッスンをしている時に、何かゴソゴソやっているので妹の方に目をやると、自分と姉のジャンパーをきれいに畳んでいた。そう言えば、姉は無造作に脱いで床においていたのだ。それを5歳の妹がしっかりと畳んでいるのだ。近頃は、母親でもそこまでする人はいない。また、ソルフェージュのワークブックをやろうとすると、それをカバンから出して、ペンケースと一緒にちゃんと机の上に並べるのだ。そして、ソルフェージュが終わると、それを自分で片づけようとする姉からワークブックとペンケースを取り上げてまでしまおうとする。姉が「自分でやるからぁ・・・」と言っているのもお構いなし。強引に道具を姉から奪い取って手際よくそれをカバンにしまう。その姿はまるで世話女房のようだ。
この妹はまさにマネージャータイプ。今はまだピアノを習ってはいないが、ちょくちょく姉にくっついてくるので、いつかそのうち自分も習うことになるだろう。そうなれば、しっかりとしつけて、ゆくゆくは教室の運営を任せ、私は理事長か何かにおさまって左うちわの生活・・・・と、捕らぬ狸の皮算用をしていたお気楽なisoe先生であったが、その目論見はもろくも崩れ去ったのであった。思い通りにならないのが人生なのだ。。。(^_^;)
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対決!?ナンデマン
ナンデマンは正義の味方ではない。ナンデマンはレッスンをしている時に突然現れる。そして、「なんで?なんで?」と聞きまくったあげく、人の説明は何一つ聞かずに去っていくのだ。このように、レッスンの進行をさんざん妨げる、このナンデマンをどうやって迎え撃つか、これは日々頭を痛める問題である。そこで、私はナンデマン特別対策プロジェクトチームを発足し、ようやくこのナンデマンを撃退する作戦を編み出した。
・作戦その1:メリーゴーランド作戦
ナンデマン「先生、なんで結婚してないの?」
先 生 「お嫁さんがいないから。」
ナンデマン「なんでお嫁さんがいないの?」
先 生 「結婚していないから。」
とこのように、最初の質問に戻るように答えを言うと、ナンデマンは不思議と納得して去っていく。
・作戦その2:偽ナンデマン作戦
ナンデマン「先生、なんでコーヒーを飲んだらコーヒーの匂いがするの?」
先 生 「じゃ、なんでコーヒーを飲んだらカレーの匂いがしないの?」
とこのように、ナンデマンには答えられそうもない質問を逆にすると、ナンデマンはあっという間に退散する。
こうして、今日もどこかで、ナンデマンとの果てしなき戦いが、どこかで続いているだろう・・・
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ハハハ…歯!?
ある日のレッスン。小学2年生のお姉ちゃんと幼稚園年長組の妹がなかよくレッスンに来ていた。
妹はまだ習い始めで、この日が2回目のレッスンだった。お姉ちゃんは、姉としての威信を示すために、妹よりも先にレッスンを受ける。そう、「ピアノはこう弾くんだよ。よく見ておきなさい!」と言わんばかりに、はりきってレッスンを受けているのだ。
しかし、その意気込みが空回りする。何でもないところで、ミスをしては「あれ…?あれ…?」と何度も弾き直しをする。ちゃんと弾こうと思えば思うほど、ミスがさらに増える。姉としての威信はどこへやら。ひたすらフォローしようとして必死になっている。
そうしたお姉ちゃんの様子を見ていた妹は、クスクスと笑い出した。姉が必死になればなるほど、その様子がおかしいのか、妹の笑い声は大きくなる。そしてしまいには、腹を抱えて笑う始末。
しかし、そんなときに事件は起きた…。
妹 「キャハハハハハ・・・・ハー、ハァ、歯が抜けた〜!」
何と、大笑いした拍子に下の前歯が抜けてしまったのだ。その後、妹が大騒ぎになってしまったのは言うまでもない。ただ、きっと姉の方は妹に天誅が下ったと思ったことであろう。他人の失敗を笑う者は、いつか自分も痛い目に遭うのだ・・・。
それにしても、笑いすぎで歯が抜けるとは・・・まるで漫画のような光景だった。(^_^;)
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お前ががんばれよ…
毎年恒例の発表会が終わって、そのとき撮影したビデオを編集し、記念のDVDを制作した。もちろん、制作したDVDは出演者全員に配布される。ビデオの編集には手間がかかるし、DVDを作るのにはさらに多くの時間がかかる。これは非常に面倒な作業だが、実を言うと、こういうことがとても好きなので、案外苦にはならない。それで、自分ではなかなか良い出来だと思っているのだが、肝心の生徒達はどうだろうか。感想を聞いてみた。
先生「DVDどうだった?」
生徒A「微妙・・・」
先生「微妙って・・・なにが?」
生徒A「ちょっと間違えてるし・・・」
先生「間違えているって?・・・どこが?」
生徒A「独奏のときにちょっと間違えている所があった」
先生「・・・先生は、DVDの出来映えを聞いているんだけどねぇ。。。」
と、こんな具合で、みんなDVDの出来映えではなく、自分の演奏の感想しか語ってくれない。ただ、一人だけこんなことを言っていた。
生徒B「音楽とか入っているし、先生がんばってるなって思った。」
そうかそうか。先生は頑張ってるか。断っておくけども、先生がどんなにがんばっても、君が繰り返しを間違えたことや、きちんと座らずに片足だけつま先を立てているかっこわるい姿を修正することはできないんだよ。。。
ふーんだ。。。これからも“ありのままの姿”を記録に残してやるんだから。。。(┯_┯)
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ナンデマン攻防戦
突如現れてはレッスンの平和を乱し、「何で?何で?」と聴きまくった挙げ句、人の説明を全く聞かずに去っていく迷惑戦士ナンデマン。そのナンデマンを撃退するために、isoe先生は“偽ナンデマン作戦”を展開している。
ナンデマン:「先生!なんで私が『なんで?』って聞くと先生も『なんで?』って聞き返すの?」
先 生:「理由を知りたいかい?」
ナンデマン:「うん!」
先 生:「ナ・ン・デ?」
ナンデマン:「・・・」
このように、いつもあえなく撃退されているナンデマンだが、近頃、ようやく自分が「何で?」と聞くことに、敗北の原因があることに気がついたらしい。そんなある日のこと。
ナンデマン「先生!どうしてピアノのイスが2つあるの?どうして!どうして!」
勝ち誇ったかのように「どうして」を繰り返すナンデマン。どうやら、自分が「なんで?」と聞く事が敗因だと言うことにようやく気がついて、ナンデマンは「ドウシテマン」に変身したのである。
しかし、この安易な変身は自らにとって致命傷となった。
先 生「理由を知りたいかい?」
ドウシテマン「うん!」
先 生「ド・ウ・シ・テ・?」
ドウシテマン「・・・・・・・」
さすがのドウシテマンもまさか“偽ドウシテマン”が現れるとは思いも寄らなかったらしい。
はてさてこの不毛な戦いは、今もどこかで繰り広げられているのかな・・・(^_^;)
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