素直な心と自分でやろうとする気持ち |
12.素直な心と自分でやろうとする気持ち素直な心レッスンの時に、先生が教えたことに対して、「はい」と返事をする人は意外と少ないものです。そして、「はい」と返事をした人の中で、本当に教わった通りに練習してくる人はさらに少なくなります。口先だけで「はい」と言って、教わったことをまったく無視する人や、反抗的な態度をとる人が、私がこれまで教えた生徒達の中に実際にいました。 どんな習い事でもそうですが、誰かに何かを教わるときにもっとも大切なのが「素直な心」です。 「素直な心」とは良い土に例えられます。花の種を良い土に植えて、先生がそれに水や肥料を与えるなら、その種はやがて芽を出し、りっぱに成長してきれいな花を咲かせるでしょう。でも、もしその種をまったく水を通さないゴムやプラスチックのようなものに植えたなら、それは芽を出すことはできないのではないでしょうか。 自分でやろうとする気持ち先に述べたように、素直な心を持っている人は先生の助言を受け入れることができます。でも、先生はいつも一緒にいるわけではありません。先生がいないとき、つまり家で練習するときに、どのように練習するかが上達の重要なポイントとなります。でも、どんな練習でも誰かに言われて仕方なくやっているのではあまり効果はないのです。 例えば、音や指の間違いを先生に注意されたときだけ直している人がいるとします。その人は先生が注意したその時は正しい弾き方をします。でも、家に帰ったらまったくそのことを気にかけません。自分でそれを直そうという気持ちがないからです。だから、気が向いたときだけ通し練習を何回かして練習をしたつもりでいます。でも、実際には自分勝手な間違った弾き方をしているので、何も練習をしていないのと同じです。その人は次のレッスンでもまた同じ所で同じ事を注意されます。そして、家に帰ったらまた同じ事の繰り返しです。何カ月たってもその人はその曲を満足に弾けるようにはなりません。 ピアノでも何でもそうですが、習ったから上手になるわけではないのです。教わったことを身につけようと努力した人が上手になるのです。学校でもそうじゃないでしょうか。学校に行っているだけで良い成績をとれるでしょうか。学校で教わったことを良く勉強しておぼえた人が良い成績を収めるのではないでしょうか。 家で練習をするときは、まず先生に教わったことを思い出しましょう。そして、注意されたところをよく練習して下さい。そして、自分の演奏をよく聴いて下さい。おかしいな、変だな、弾きにくいなと思うところがあったら、その部分もよく練習しましょう。 |
目次 | 楽譜を正しく読む | 指番号を守る | 正しい姿勢と手の形 | 腕や手首のよけいな力を抜く | 曲想を考える | 定期的・計画的な練習 | エチュードを日課とする | メトロノームとなかよしになる | 必要不可欠な部分練習 | 気持ちを込めた通し練習 | お母さんは名コーチ | 素直な心と自分でやろうとする気持ち | 聴く耳を育てる | ホーム・コンサートのススメ | 絶対にあきらめない | 発表会で成功する練習の仕方