れもんうえうぶ
ピアニストの絵ピアノが10倍上手になる練習方法

目次

楽譜を正しく読む

指番号を守る

正しい姿勢と手の形

腕や手首のよけいな力を抜く

曲想を考える

定期的・計画的な練習

エチュードを日課とする

メトロノームとなかよしになる

必要不可欠な部分練習

気持ちを込めた通し練習

お母さんは名コーチ

素直な心と自分でやろうとする気持ち

聴く耳を育てる

ホーム・コンサートのススメ

絶対にあきらめない

発表会で成功する練習の仕方

8.メトロノームとなかよしになる

 メトロノームは決められた速さで「カチッ、カチッ」とリズムをきざむ機械です。こんな機械はあってもなくてもどうでも良いように思えるかもしれませんが、このメトロノームは音楽の練習には欠かせない、とても重要な機械なのです。

どのように使うか

 音楽を演奏するときに、どのくらいの速さで弾くかを考えるのは大切なことです。それぞれの曲には、その曲にふさわしい「速さ」があります。ピアノを習い始めて少したつと、楽譜の上の方にイタリア語で“Moderato”(モデラート=中ぐらいの速さで)とか“Allegro”(アレグロ=速く)という言葉が書かれるようになります。これは、その曲の速さを表している言葉です。でも、一口に中ぐらいの速さとか、速く弾くとか言われても、人によってその速さの感じ方は変わります。メトロノームはその速さの基準を示してくれる機械です。
 メトロノームの速さを決める目盛りにはモデラートやアレグロなどの楽語が書かれています。その曲に書かれている速さとメトロノームの目盛りを合わせます。それからメトロノームを動かして、その音に合わせてピアノを弾きます。
 また、とても速い曲を弾くときは、いきなり速くは弾けません。それで、メトロノームを使って、まずはゆっくりしたテンポに合わせて練習します。そして、弾けるようになったら目盛りを一つずつあげていきます。それを続けて最後に目標の速さに着くまで練習を積み重ねていきます。

なぜメトロノームを使うのか

 人間は機械ではありません。ですから、ピアノを弾いていても自分では気づかないうちに速くなったり遅くなったりしています。でも、それでは聞いている人が落ち着かないのです。強く弾いたり弱く弾いたりするのを自分でコントロールするのと同じように、速く弾いたり遅く弾いたりすることもコントロールできなくてはなりません。そのためにメトロノームを使って一定の速さで弾く練習をするのです。「自分はだいじょうぶ」と思っている人、それは大間違いです。これはピアノを弾く人だけでなく、音楽を練習する人全員が必要な練習です。
 速さを意識せずに練習している人にはテンポ感が育ちません。テンポ感とは「曲の速さを感じ取り、それをコントロールする感覚」のことです。テンポ感のない人はつねに行き当たりばったりの演奏しかできません。曲を速くも遅くも演奏できないのです。例えるなら、アクセルの踏み方もブレーキのかけ方も知らない人が車を運転するようなものです。そんな人の車にみなさんは乗りたいと思うでしょうか。
 テンポ感を育てるために、メトロノームを使った練習はとても効果的です。だから、メトロノームとなかよしになる必要があるのです。

いつ頃から使うべきか

 自分で音符が読めるようになり、音符の長さを理解して拍を数えて弾けるようになったなら、もうメトロノームを使えるでしょう。少なくとも、楽譜に速さを表す“Allegro”“Moderato”などの楽語や、メトロノームの速度を表す数字が出てくるようになったら必要です。また、キーボードや電子ピアノにはリズムを鳴らせる機能が付いている場合もあるので、それで代用することも可能です。ただし、お子さんが小さいうちは、メトロノームの目盛りを設定してあげるのはお母さん方の役割となるでしょう。

 メトロノームはとても役立つ、便利な機械です。どうかそれを有効に使って自分の(お子さんの)練習に役立てて下さい。

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