正しい姿勢と手の形 |
3.正しい姿勢と手の形 どんなことでも基本は大切です。特に、フォーム(形、姿勢)は基本中の基本です。よく野球選手が、思うように活躍ができないときに「フォームが崩れている」と言われますが、ピアノでも基本的な形としてのフォームがあり、それが崩れるとよい演奏ができなくなります。ではプロの演奏家のものまねをすれば上手になるでしょうか。決してそうではありません。基本的なフォームというのは誰もがよぶんな力を抜いたときに自然とそうなる形です。ふつうにピアノを弾いたときに、自然と基本的なフォームになっているならその人は基本を身につけています。でもそのためには常に基本を意識して練習する必要があります。自然に身につくものではありません。では、基本的なフォームとはどのようなものでしょうか。 イスの座り方と姿勢
イスの高さは鍵盤に手を置いたときに、手首と肘がほぼ水平になるように調整します。この時に、足が届かずぶらぶらするようなら、足の下に台を置いて下さい。台は専用の足台を使うか、厚い週刊誌のようなものでもOKです。体や腕の力を抜き、背すじを伸ばしましょう。足は床に踏ん張ることができるように、そろえておきましょう。 手と指の形人間の手はよぶんな力を抜くと、自然と内側へ曲がり、手の中に空間ができます。これがピアノを弾くときの基本的な手の形です(写真3)。この形のまま弾くことができれば、よけいな力が抜けているので、何時間弾いても手は疲れません。 写真4のように指を伸ばしているのは、手によけいな力が入っている事の証拠です。そして、手によけいな力が入っている人は写真5のように指を鍵盤に押しつけるような弾き方をします。このような弾き方はすぐ疲れますし、正確で素早い動きを期待することができません。それはピアニストにとっては致命的なことです。 |
目次 | 楽譜を正しく読む | 指番号を守る | 正しい姿勢と手の形 | 腕や手首のよけいな力を抜く | 曲想を考える | 定期的・計画的な練習 | エチュードを日課とする | メトロノームとなかよしになる | 必要不可欠な部分練習 | 気持ちを込めた通し練習 | お母さんは名コーチ | 素直な心と自分でやろうとする気持ち | 聴く耳を育てる | ホーム・コンサートのススメ | 絶対にあきらめない | 発表会で成功する練習の仕方