定期的・計画的な練習 |
6.定期的・計画的な練習 ただ何となくピアノを弾いていても、それほど上達はしません。たとえば、毎日ただ何となくジョギングをしていて、マラソン大会で優勝できるようになるでしょうか。無目的に走っているだけでは、完走すら難しいのではないでしょうか。 何を練習するかまずは楽譜を注意深く見る必要があります。音符やリズムだけでなく、指番号や強弱記号など楽譜に書いてあることのすべてをよく見て下さい。そして、難しそうなところや先生に注意されたところに目をとめましょう。また、姿勢や手の形、よけいな力を抜くことなど、基本的なテクニックに関することも忘れてはいけません。 どのように練習するか 音符やリズムを正しく弾くのは当たり前のことです。でも、その際に指使いも正しく弾くことを忘れないで下さい。そして、次には強弱や速さも考えましょう。音が強すぎたり弱すぎたりしないか、速すぎたり遅すぎたりしていないか、よく聞いて下さい。 どれだけ練習するか始めのうちはちょっと練習すればすぐ弾けるような曲ばかりですが、だんだんと曲は長く難しいものになっていきます。2〜3年も習っていれば、1日かそこらの練習では簡単に弾けないような曲になります。ですから、楽譜をいくつかに区切って、毎日どこまでを練習するか、そしてそれぞれの部分を何日間練習するかをあらかじめ決めておくことが大切です。さらに、姿勢や指の形などは直すのに何日間ではなく、何ヶ月間もかかります。あるいは何年間かもしれません。辛抱強く、こつこつと続けることが大切です。だらだらと長く弾くのではなく、短くても質の高い練習を目指しましょう。 ピアノを弾くときに使う神経や筋肉は、日常生活ではほとんど使われることがありません。ですから、訓練をして鍛えなければピアノを弾けるようにはならないのです。週に1回か2回弾く程度では訓練にはなりません。ピアノを上手に弾くためには、素早く正確に指を動かし、瞬間的に力を出し入れできる柔軟さと、何時間でも弾き続けられるような持久力と、そして何よりも集中力を身につけなければなりません。これらのものは短期間で簡単に身につくものではないのです。ですから、毎日定期的に練習できるように計画を立てることが大変重要なのです。それには忍耐力と自制心が試されるかも知れません。でも、そんな苦労も、ピアノが上手に弾けるようになったときの喜びに比べれば大したものではありません。良く計画された効率の良い練習を毎日続けること、それが上達への近道です。 |
目次 | 楽譜を正しく読む | 指番号を守る | 正しい姿勢と手の形 | 腕や手首のよけいな力を抜く | 曲想を考える | 定期的・計画的な練習 | エチュードを日課とする | メトロノームとなかよしになる | 必要不可欠な部分練習 | 気持ちを込めた通し練習 | お母さんは名コーチ | 素直な心と自分でやろうとする気持ち | 聴く耳を育てる | ホーム・コンサートのススメ | 絶対にあきらめない | 発表会で成功する練習の仕方